苦手

旅先では、一眼レフカメラを首から提げて出歩いていた(でも。旅行前に読んだ本に、日本人旅行者が有名メーカー品持ってると狙われるから気をつけろ、という一文にびびって、社名のロゴが入ってる部分はすべてマスキングしてたのだった。気遣うところは他のところにあったけど、それはまた別の話)。
それなりには見えたらしく「これで写真を撮ってくれ」と、声を掛けられる機会が何度かあった。だけど。
渡されるのは大体コンパクトデジカメである。それで何が困るかというと、この場合ちゃんと撮影できたかどうかが、私にはよくわからないのだ。
ノラさんは「ぢしゃーっ」と、とてもカッコいい音を出しくれるし、T蔵さんも、フィルムを送る音が聞こえるから、いま撮ったんだよな、と実感できる。
しかし、デジカメの場合、自分ではシャッターボタンを押したつもりでも、ちゃんと撮れていないことがあって、毎回不安なのだ。
撮った画像を確認したいけど、プレビューボタンがどれなのかわからないし、なにぶん人のものだから勝手にいじれない。シャッターを押すたびに「多分撮れているけど、もしダメだったらごめん」と思っていた。大丈夫だったけど。
今後、デジカメを持つようになり、それに慣れてしまったら。こういうことは忘れちゃうだろうな、ということで書いてみた。