群馬偏りツアー・最終日

前橋の友人宅泊。朝食兼昼食をいただいてから、昨日行けなかった「おもちゃと人形自動車博物館」と「珍宝館」へ。まず「おもちゃ〜」から見学。入館するとテディベアがお出迎えです。撮影禁止だろうと思いつつもカメラを取り出したところ、電源を入れた直後に電池切れ。レンズが出っ張ったまま不動の体勢です。あああ…。
気を取り直して、おもちゃ、自動車、アンティークベア、日本人形、土産売り場、世界の人形を眺めつつ「お菓子とチョコレート博物館」へ移動。チョコレートの匂いが一面に漂ってます。甘い香りに刺激されたのか、気づいたらチョコレートを購入してました。最後に「キユーピーの絵付けコーナー」へ。この博物館は入場時に、無地のキユーピー人形をひとつくれます。それに勝手に絵を描きたまえという主旨。「こんなキューピーはおかしい」と思いながら、実際につぶやきながら作業終了。市民プールにいそうなオバちゃんができあがりました。周りを見たら、河童風とかカウボーイ風なんて凝ったのもありましたが。

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さて「珍宝館」へ移動。
駐車場前の家屋が受付兼店舗。店内には性器をかたどった飴やら独特の雰囲気を持った商品が鎮座してます。店内にいるのはレジの中に座ったおばちゃん一人。ゴルフ中継を見てます。彼女に声をかけて入場料を払う。とりあえず、生命力溢れる滝を眺めて池の脇をとおり館内へ入る。ここでも熊が出迎えてくれます。木彫り調です。そして立派なお道具を持っています。先生、さっき見てきたテディベアとはまるっきり違う熊です。
で。入り口をくぐるとそこにはずらーっと春画。他に客が入ってくる様子がなく、館内は友人Yと二人きり。「ここは勝手に見学しろということだろうか」と話しつつ展示物を閲覧する。人数が少ないから解説は聞けないのかと思っていたら、入り口が開きさっきの受付のおばちゃん登場。
「さ〜、これから展示品の解説しますよ」
ああ、やはりあなたが珍子さんでしたか(自己紹介はありませんでしたが、ここではそう呼ぶことにします)。
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さっさと壇にあがり、指示棒(もちろん先端には男性器が付いてました。彼女の後ろの陳列棚の奥にはコード付きのおもちゃも見えた。あれは人数がもっと多いときに使うのかもしれない。どう使うかはわからないけど)を片手に珍子さんは「こんなとこに若いお姉さん二人でくるなんて悩みがあるのね。彼のものが小さくて困ってるんでしょ。これ(壁に立てかけられた二股の木を指す)を拝めば効き目があります。十分濡れるから。今夜試すのよ」と言ってから、真ん中に刺さった棒を引っこ抜いて、また股の部分に差し込んでみせた。
「これで大丈夫。今夜試すのよ」
どう大丈夫なのか考える間もなく、ほかの展示品の解説が始まりました。
・般若の顔の構成人数当て→時間切れで不正解。
「正解者の豪華賞品は北朝鮮旅行だったのよ、外れて残念ね」
・「飴」の紹介。サイズはS・M・L。一週間以内は返品可能。気持ちいいのよー、って。言われても。
・茶釜を解説。「この茶釜は四十八手が模様になっているの。これで茶をたてて遊女が客をもてなしたの。これが模様を拡大したもの。ごらんなさい」と茶釜の横にパネルが一枚。すかさず体位の解説が入ります。終わりには「女の顔が喜んでいるでしょう。気持ちいいのね」と。
・ガイコツと遊女の春画の解説。
女の股はなんでも飲み込む〜という説明のあとに「畑をいくつもいくつも飲み込むから、ここはこう呼ばれるの、マンチョウ*1って」
上記のような内容をまったくにこりとせずに、淡々と話してくださいました。説明を聞いて私たちは笑っていたのだけど、珍子さんはまったく笑わない。クールってこういうことかもしれないと思う。
最後にガラスケースの中の人形をしゃがんで下から見ろとおっしゃいます。いきなり指示が出たのでとまどいながら言われた通りする。目線のその先には、いろんなものが丸見えですよ、奥さん。我々が覗き込んだのを確認すると、「あとは自由見学です」という言葉を残して去っていきました。質問する隙も与えず、必要なことだけしゃべって退場。時間にすれば十分もかかっていなかったと思う。でも彼女の印象はしっかり植えつけられた。
珍子さんが去ってから、部屋の真ん中にある「べべ観音」を拝む。「べべ」がどんな意味かわからないが「下の病気にかかりません」て書いてあったのでとにかく拝む。友人Yはそんな私を離れて見てましたが。
展示室はほかに二部屋。いずれも春画や石器、陶器なんかがこれでもかと並んでます。がっぷり組んでるタヌキの剥製もありました。あと柄が四十八手の赤い腰巻とか。
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ここで友人Yからのアドバイス:「こういうのが好きだったら熱海の秘宝館へ行ったほうがいい。音付きだし、とにかくすごいよ*2。」
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出口脇に自動販売機(新札対応)が設置してあり、一見タバコの自販機かと思いましたが、それ以外にDVD(内容:アダルト、価格:千円)、下着(見た目重視、機能性はそれなりに)、精力剤などが並んでいました。タバコだけに「売り切れ」のランプが点いていたのが印象的でした。しばらく見てたら「そんなDVD買わなくてもいいから、熱海で見られるから」と再度言われました。
わかった、じゃあ来年行くよ。
あと。どうでもいいけど展示品のモザイクについて。
大きい展示品にはガーゼのようなものが貼ってあり、小さいものには鳥の羽が使われていた。あの鳥の羽根は、最後の部屋になぜか展示されてたキジの剥製のものだと思う。背中の部分が毟られてたから。無駄がないというかなんというか。
古い農具も置いてありましたが、あれはどんなプレーにどう使ったんだろう。…そう考えることが間違ってる。やはり置き場所に困っておいただけだろう。
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その後カップルが一組入ってきたのだけど、Yも私も「あの二人も同じような説明を受けるのだろうか」と心配したようなしないような。彼らにはおさわりあったのかなあ。

車に戻ってからお互いに「珍宝館」の印象が強烈だったので、先に見た博物館の記憶があいまいになっていました。しかし。幼馴染とこういう体験を共有できるとは思ってなかったです。おかげで本当にいい旅になりました。
展示品もすばらしいけど、「珍宝館」を訪れる意味はやはり珍子さんに会うことにあると思う。いつまでも元気でいて欲しいもんです。
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こんなの読んでらんねえよと思った方はニッポンの歩き方のレポートをご覧ください。画像付きで詳しく紹介されておりますので。
というか、この日記を読んでるほとんどの方が既読のはずだ。わー。
がっかりもできない中途半端なレポートで本当にすみません。

*1:いくつもいくつも→たくさん→万、それと土地の広さをあらわす単位の町(ちょう)のこと思われます。マンチョウと言い切ったあと何の説明もなかったんだけどこういうことじゃないかと。説明するもんじゃないけど、自分で忘れそうだから書いておく。
ちなみに一町=約99.2アール、1アール=100平方メートル

*2:彼女は社員旅行で行ったとのこと。ここも制覇したってすごいな