あやとり

数十年ぶりにあやとりをしたよ。
初めて電車を降りた町を散策していたところ、いい感じの和菓子屋があった。
民家兼店舗という形のところ。
陳列ケースに和菓子が並んでいて、その後ろに店主と思しきばあさんがいた。
目が合って会釈すると、手招きされた。桜餅くらい買おうと店に入ったら、
「あやとり」と言われてくさり編みした赤い毛糸を渡された。
これで、あやとりどうぞということらしく、糸を指にかけてそれっぽい動きをしてみた。
けど、忘れてる。
唯一覚えてたのは「箱枕」(逆さにすると杯になるんだった気がする)という簡単なの。
あやとり久しぶりでやり方忘れちゃってます、といったらばあさんが「じゃ、ほうきは?」
とやりながら見せてくれた。のだけど、手を入れる方向を間違えたりして三回ほど失敗する。
はーはーはー。
やっと成功して、ほうきの形になったとき一緒に喜んでもらう。
ばあさんの話に10分ほどつきあって、桜餅と蒸し金つばを買った。おまけに折り鶴とあやとり紐を
もらい、ついでにハンカチで作るひよこの作り方も教えてもらった。
「こうやって人相手に話すのおもしろいよー、商売っていいよー」と繰り返していた。
そうだろうねえ。
喜寿超えたとおっしゃっていたけど、かなり元気だった。実際、病気したことないの、とも。
また来てねー、ということだったので、できれば再訪したい。
お菓子の味はふつう。