祥月

今日は姉の誕生日であり、プリッツさんの命日。
去年のことを思い出していた。
朝一番で、実家から電話。
「いま、吠えてるから大丈夫だと思う」
受話器越しに鳴き声が聞こえる。
年を取って二年くらいは、なにかあってもほとんど吠えることはなかった。
大丈夫だと思いたかった反面で「これは彼なりのさよならかもしれない」
と考えていた。
ただ、苦しかっただけなのかもしれない。
その答えはわからない。
昼間、姉からの短いメールで行ってしまったことを知る。
じわじわと泣きたくなった。我慢した。
会社を出て、駅の改札を抜けると母親から着信。
朝からの事を詳しく聞く。
泣きながら話を聞いてた。
ということを思い出していた。
いないけど、いる。
それでいい。