いぬ

じっとりした話なのです。
11月27日は姉の誕生日であり、実家犬の命日である。
セットで覚えやすい! 忘れない!
そういうことを3年間に姉と話した。
11月の冷たい雨が原因でプリッツさんは体調を崩した。
だから11月に降る冷たい雨は苦手だ。
雨にぬれていなければ。
雨がふらなければ。
そういうことを考えてしまう。
犬と一緒に散歩する人を、というか、犬の姿を目で追ってしまう。
さすがに、スーパーのペット用品売り場で泣くようなことはなくなった。
気持ちの整理がついているということだから普通の事だけど、もう慣れて
しまったのだなと思う。
プリッツさんが夢に出てくることはほとんどない。
自分の記憶の中にいるから平気、というような感覚がある。
あと、やっぱり実家にまだいると思ってるふしがある。
もちろん実体は土の下にいるんだけど、気配だけ。
その気配にしても私が脳内で作りだしているにすぎないものだけど。
それでいいと思う。
実家の玄関を開けると、こっちに向かってくる気がする。
その感覚だけはずっと持ち続けていたいと思う。