読了

『死ぬ気まんまん』
著/佐野洋子
タイトルがなんともいい。
「死にたくない」ではない。「死にたくて仕方ない」という。
著者は「死ぬのは怖くない」という。満州から引き揚げてきた経験や、家の中で
人が亡くなる様子というのを数多く見てきたからと。
私も死んだ人は見たことはあるけれど、その瞬間というのを目の当たりにしたことはない。
虫以外だと、けがをした野ネズミ(家ネズミだったかも)がこと切れる様子を見たくらい。
あー、あとレース中に予後不良と判断された競走馬が処置されるというのがあったな。
あれはすごく事務的に物事が進んで現実感がなかった。が、確かに死ぬ瞬間だった。
いろいろと考えてしまう。
とりあえず、健康診断や検診を受けておくことは必要だということだなぁ。


『AIと人類は共存できるか?』
サブタイトルにあるとおり人工知能SFアンソロジー
人工知能(AI)が発達した近未来を描いた作品が5編。
5人の作家の書いた小説に5人の人工知能の研究者が解説をするという構成。
長谷敏司さんの「仕事がいつまで経っても終わらない件」が皮肉たっぷりでよかった。
AIが生活に入り込むことは避けられないし、いろいろと仕事のやり方も生活も変わるのだろう。
そういう未来の一つをのぞき見した感じが体験できるので面白かったです。
現実になったら笑えないことも多いけれどね。