読了

『閉じこもるインターネット』
新聞の書評かなにかで、タイトルが気になってチェックしていた本。
インターネットは世界につながっていて、開いてるものじゃないの?
と思っていたのだけれど、読み終えたらその認識は改めなくてはいけないと思う。
自分にとって検索しやすい環境というのは大変便利だけど、その便利さと引き換えにしているものがある。
興味のあるものが探しやすくなる分、興味がないと検索システムにみなされた情報は表示されなくなる、ということ。
同じ単語を検索してみても、一人ひとり表示される結果が違う、というのがわかりやすい例。
検索履歴から作られたフィルターバブルという壁がいつのまにか自分のまわりにできており、その壁をすり抜けてきた情報しか目に入らなくなる。
無駄はなくなるけれど、でも、横道にそれるような検索ができにくくなるということで。
そういう壁に囲まれた状態を「閉じこもる」と表現している。
「対価を払わない者は顧客ではない。売られるモノだ」という言葉が本書で紹介されているが、フィルターバブルの世界において我々は「我々の売ることで許可する」という形で対価を払っているわけだ。P300 訳者あとがき より
無料で使える仕組みとはそういうことなのですよねえ。
自分のどんな情報がどう使われているか。せめてそれは知りたいけれど、知る方法がないという。