ツリー

クリスマスだからって素敵な思い出ばかりじゃないよな、っていまだに思い出すのは、クリスマスツリーに関するもの。

ネガティブな話なので。

 年末、母方の祖母の家に母と二人で行った帰り、叔母の家に立ち寄り。叔母に何か渡す用事があったらしく、それが終わったらすぐに車に戻るから、と母。その時の私は10歳くらいで、親戚づきあいもちょっと面倒だと思い始めた頃だったから、すぐに戻るだろうと車で待つことにした。しかし。叔母としては立ち話だけじゃさみしいから、お茶でも一杯飲んでいけばと言うし、母としては断るのも悪いからちょっとだけ、となってすぐには戻らない。いとこが呼びに来たけど、ここで待ってるからいい、と断る。

その後に母が「一緒にお茶をいただこう。それにクリスマスツリーも飾ってあるから見よう」と声をかけてきたけど、車にいる、と降りなかった。仕方なく母だけが戻っていったのだけど。

お茶を拒否した理由は、非常に子供っぽい。我が家にはクリスマスツリーはなくて、せいぜい工作で作った紙のツリーを飾る程度。いとこの家にある、電飾もちゃんとしてるツリーを見るのがなんだか悔しい気がしたから。見たからってうちにクリスマスツリーが飾られるわけじゃない。きれいだと褒める母の姿も想像できて、それもなんだか嫌だった。

それ以来「家に飾るクリスマスツリー」というものに対して心が許せないところがある。素敵だと思うけど、でも。