祖母の教え

子どものころ、祖母から何度も注意されたこと。
「口を開けたままでいるとみっともないから、口は閉じていなさい」
これは標準語で書いたので、しっかりしたおばあちゃんが孫に諭す感じに読めるんですけど、実際に言われたのは、こう。
「そうやって口ぃ開けてるとバカに見えるわ。口閉じてろ。閉じてりゃ利口に見えるわ/いい娘に見えるわ」
「バカに見える」にカチンときて、すぐに口を閉じてたんですけど、同時にムッとした顔にもなってたので、途中から「なんでふくれっつらをするんだ」もセットになってました。
当時は嫌で仕方がなかった祖母の小言ですが、注意してくれてよかったと大人になってから感謝しています。人前では口を閉じていると(実際はどうかと言うのは別にして)まともに見えるというのは、世間に出てから実感しますねえ。
明治女と暮らす機会の価値に気づいたのは大人になってから。もっといろいろ話を聞いておけばよかったと、文字通り後の祭り。いろいろと問題のある人だったけども、その行動にも祖母なりの考えがあったことなんだなとようやく思えるようになったわけです。
病院で夕食を平らげた後に亡くなった祖母。見事な最後とだったと思うのです。
って書いたけど今日は命日じゃないよ。